2017.01.20更新

 


こんにちは。私たちは愛知学院大学 経営学部 経営学科の学生です。

 

ふくりびの事務局長である岩岡ひとみさんに講師として来て頂き、今回授業の一環として患者同士の交流の場(イベント)について発信していくプロジェクトをすすめており、実際にくまの間さんにインタビューに行ってきました。


11月23日(祝・日) くまの間(おしゃべり会)    

 

 ――おしゃべり会――


初めに「くまの間」の活動について紹介したいと思います。くまの間とは、若年でがんを経験されたサバイバーの方、サバイバーの方を支えているケアキバーの方を対象とした会です。主催者の加藤那津さんは男女問わず、がん種を問わず集まっておしゃべりしたり、一緒に何かに熱中したりしてほっとした時間を共にする場を持ちたいと思い、お茶の間のようなあたたかくてほっこりできる場を目指しています。月に一回程度開催されていて、1日の流れとしては、ワークショップの体験、ランチ会、おしゃべり会といった流れになっています。また、仕事をしていて参加することが難しいといった方々のために、夕方おしゃべり会といった仕事後でも参加ができるような会も開催されています。

 

 この日は、名古屋市芸術創造センターで開催されました。机を囲む感じで座り飲み物やお菓子が用意してあり、1人ずつ自己紹介をし(参加した理由など)その後は、内容問わず自由にお菓子や飲み物を飲みながら会話をしました。

 

  病気のことなどの話が多いのかと考えていましたが、本当に自由なおしゃべりで、仕事の相談や、病後の生活、息子さんの話、趣味のこと、学校の話など幅広くいろんな話をしていました。趣味の話、学業の話では盛り上がり、相談では、聞くだけで終わりではなく、悩みを共有し、全員で悩み解決に向けての話し合いをしていました。また、全員が話せるように自然に話を振ってくれるので、自分から話すのが苦手な人も退屈することなく、参加者全員が楽しく会話できていました。


                   くまの間

 

 会の後には、アンケートに回答をしました。(次回行ってほしいことや希望の開催時間など)この会に参加することで新たに人との繋がりができるところも会のメリットだと感じました。病後、人とのコミュニケーションが苦手になったという悩みを持つ方でも、気軽に会話を楽しめる会だと思います。


 今回参加をしてみて、もちろん病気の話などもありましたが、それ以上に世間話や日常生活、家族などのお話しが多くて参加者全員が楽しく会話することが出来ました。くまの間さんは本当にゆったりとした空間で、病後の悩みを誰かに聞いてほしいという人や、コミュニケーションをとりたいといった人には是非参加してみてほしい集いの場です。


 

―― くまの間主催者 加藤那津さんインタビュー ――


 くまの間主催者である加藤那津さんに、会終了後お時間をいただき、いくつかインタビューに答えていただきました。

                  くまの間


Qくまの間のHPに載せている加藤さんが癌になってから実際に始めた趣味とは、どういったものですか?


 「具体的に言うとランニングと山登りです。どちらも病気になってから始めました。元々父親は、私が子供の頃からやっていたんですけど、その影響で逆にやりたくないという気持ちがあり、「あーだこうだ」言われるかと思ってずっとやらないできて、でも病気になって癌になってからマラソンを始めて元気に暮らしてしている人を知ったので、私もやってみようかなって。絶対マラソンも登山もやらないと思っていたんですがやってみたら結構はまって、病気の繋がりだけじゃなくて、そうゆう趣味の繋がりでも、知り合えたりできるので病気で知り合ったけど、違う友達に発展していくのもいいですね。」


Qおしゃべり会ではいつもどんな会話が多いですか?

 「集まったメンバーによって、内容が結構変わりますが、病気のこの薬がどうとかそういうのは患者同士では、取り扱いが難しいので、ウィッグをいつ脱いだらいいのかとか、主治医の先生とのコミュニケーションでの悩みとかの話がでたりします。揃ったメンバーによって違ったり、例えばお子さんがいる人が多かったらお子さんとどうやって接しているとかそういう話になる時もあるし、独身の人が多ければこれからどうやって生きていくかみたいな話にもなります。」


Qくまの間さんのメインテーマや、こういう場にしたいなどありますか?

 若年の患者会だと、例えばこれから妊娠できるかどうかとか、仕事の話とかなにかそういうのを軸にもってやっているとこもあるんですけど、ここは(くまの間)本当に集まれる場がなかったので、まずそういう場を作って、やっぱり若年といって年齢をしぼっても家庭なりその置かれている環境とか病気とかも違うのでそういう会はまた別にあるから、そういうのに興味があれば例えば紹介はするんですけど、ここは集まれる場を作りたいっていうのでやっています。

 

Qくまの間さんをやろうと思ったきっかけは?

 「最初に自分自身が乳がんの患者会に行ったのですが、その時に自分の親とか、それ以上年配の人とかばかりで、年齢層が高くて…。なんかこう、行って誰かいるからってほっとしたっていうよりは、逆にここにも居場所がないんだなって感じて孤独になっちゃって、もう行くのやめようってなっていかなくなって、でも最初に行ってから一年後くらいでアウトレットっという会に出会って、そこではそんなに定期的に集まりをやっていないのでやっぱり定期的に集まれるところをやりたくて、というのも、やっぱり今月いけなくても来月あれば来月いけるかも。っていう人もいるし一年前にみつけてたけどなかなかこれなかったっていう人とかもいるので毎月やり続けていくことが大切かなと思って。色んな患者会は名古屋でもあるんですけど毎月やっているところは限られていて、あとは女性だけしかだめとか、癌種を区切ってやっているとことかあるので、うちは間口を広めにとって色んな人に来てもらいたいなと思っています。


―― まとめ ――


 今回、大学の授業の一環として私たちは癌患者同士の交流の場(イベント)について発信していきたいと思い取材をさせていただきました。今回はおしゃべり会だけの参加となってしまいましたが、参加に至るまでに抱いていた見えない壁が大学生である私たちを主催者の那津さん、参加されていた皆さんが温かく受け入れ、話の輪に参加させてくださり壁がなくなりました。


今回授業の一環としてがん患者さんと実際お話をする機会を得なければ、このようにがん患者さんとお話する機会や、このような会があることを知りませんでした。今日参加されていた皆さんのように自分の殻に閉じこまず一歩踏み出し、イベントや患者会に参加することで繋がる世界は広がることを改めて感じました。

 くまの間はゆったりとしたリラックスのできるようなとても明るい会で私たちまで一緒に楽しく会話できるくらいのカジュアルな雰囲気で、相談にもしっかりと具体的なアドバイスなどをしていて、またこの会を通じて仲良くなったりする人もいて、人と人との繋がりの大切さを改めて感じました。また担当医師や看護師に言えない悩みや本心を言いやすい場で、誰かと気持ちを分かち合いたい人に適している会だと思いました。

「病後、人とのコミュニケーションがなくなった」「病後、生活の悩みなどを相談したい」「以前から知っているけど参加する勇気がない」といったような方、是非一度参加してみてください。普段の生活とは別の特別な時間を過ごすことができると思います。

 

那津さんとても貴重な時間を有難うございました。

 

               くまの間


 


                                   2016年11月23日 

                                   愛知学院大学 経営学部取材班 田中みき 黒川尚哉 藤川泰行


 

 

投稿者: NPO法人 全国福祉理美容師養成協会

SEARCH

ARCHIVE