医療用ウィッグ事業への想い
弊協会は、加齢や障がい等の理由により理美容室を利用することが困難な方々のために、居宅や施設、病院等に訪問して理美容サービスを提供する事業を、30年にわたって続けております。
医療技術が高度化した現在、患者様の生活の質(QOL)を向上させることが重要な関心事となっており、医療のみならず、患者様の生活に関わるあらゆる分野からの協力が必要と考えられています。弊協会も、長年にわたる訪問理美容サービスの提供を通じ、がんの化学的治療による薄毛・脱毛に悩む方々と接してまいりました。
その際に心を痛めてきたのは、がんの化学的治療に取り組んでいる患者様のための医療用ウィッグは、かなり高額なものか、あるいは低価格で著しく品質が低いものしか提供されていないことでした。そのため、すでに医療費を負担している患者様は、「無理をして買うか、容姿についてはあきらめるか」という困難な選択を強いられています。
これでは、理美容のプロとして、QOLの向上に十分貢献しているとはいえないのではないか。
自分らしく、美しくありたいというごく当たり前の思いを、無理なく実現できるようにすることが、理美容のプロとしての使命なのではないか。
そのような想いから、弊協会は2012年に医療用ウィッグを提供する事業を開始し、2015年には「アピアランスサポートセンターあいち」、2018年には「アピアランスサポートセンターTOKYO」、2023年には「アピアランスサポートセンターながくて」という専門の外見相談センターを病院近くに開設し、患者様の容姿に対する悩みを解決するお手伝いをしてまいりました。
弊協会では、理美容師が患者様のご希望のヘアスタイルにカットしたうえで、NPO法人だからこそ可能な低価格で、ウィッグをご提供しております。